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2006年2月の日記
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2月1日(水)の夜
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TAの仕事にはがんばれるのに、自分の研究はがんばれないというありがちな良くない状況に陥っています。水曜日は特にオフィスアワー、授業、TAセッションがあるのでTA関係のことで一日が潰れてしまいます。まあ言い訳はダメですが。
オースティンにはNBAの下部リーグに所属するバスケットボールチームがあるのですが、それが今週末、オースティンでアルバカーキのチームと対戦します。アルバカーキのこのチームには日本人初のNBAプレイヤーの田臥勇太選手が所属しています。学生料金で8ドルと安かったので、観に行くことにしました。バスケのことなどよくわかりませんが、結構楽しみです。
2月2日はアイン・ランドの誕生日で今年で生誕101年だったのですが、UTのアイン・ランド協会は今回は特に何もしないようです。というのもリーダーの女子学生が、去年哲学部で教えていたAyn Rand Institute(ARI)の会長の嫁のクラスを取ったとき、思想上の違いから大喧嘩をした結果、ARIからの公認を取り消されてしまったからです。ARIからの資金援助も無ければ、学習教材の提供も受けられません。このリーダーの女性はARIに手紙を書いて謝ったのですが許されず、別の学生側の中心人物からも「彼女はオフィサーでもメンバーでもない」と宣言されるなど追い詰められ、もうこうなったら退学するしかないということもほのめかしているそうです。
こうした内部のゴタゴタはアイン・ランド系の団体のお家芸と言えるものです。何せみんながみんな「エゴイスト」を誇りしている人たちなのですから、衝突は常にあります。本来は個人の自由をとことん尊重するはずの人たちなのになぜこうなるのか。それはアイン・ランド信奉者はリバータリアンのように、正義のルールを守る限りは善に関してどのような価値観を抱いても良いと思っているのではなく、ランドの規定した善の概念(端的に言って、善=合理性)が最高でそれにみんなが従うべきだと思っているからです。つまり多元主義ではなく、一つの最高善の存在を認めており、それを巡って自分の考えが一番優れている!、ランドに近い!と争うからです。彼らにとって真実は一つなのです。この辺がランドの信奉者団体が、「カルト教団」のように思われる所以です。
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2月2日(木)の夜
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ちょっと思うところがあって鬱病の症状についてネットで調べていました。いわく「考えがまとまらない」「アイデアが浮かばない」「不安が頭から離れない」「過去や将来にとらわれて暗くなる」「仕事や家事に集中できない」「誰とも会いたくない」「出かける気になれない」「誰かと話すことが苦痛に感じる」など。「ああこの症状ひょっとして当てはまるかも!?」などと思いながら見ているとある一文にぶち当たりました。
「ただし仕事のときだけこれらの症状が当てはまる場合には鬱病とは言いません」
この瞬間僕は鬱病ではないことを確信しました。別に研究関係以外の対人関係は苦痛でも無いし、遊びならいくらでも外出したいし。僕が鬱病なんて言ってたら本当に鬱病の人に怒られそうです。
今晩は気晴らしに大学内の映画館にThe 40 Year Old Virginという映画を観に行きました(無料)。日本では公開されていないし、今後も公開されるのかどうかわかりませんが、タイトルどおり40歳で"DT"の男性の話です。アメリカでは去年結構ヒットしました。それにしても日本では電車男、アメリカではNapoleon Dynamiteとこの映画など、最近情け無いオタク男性を主人公にしたこのテの映画が多い気がします。正直僕はこういう風潮はどうかと思うし、非常にグロテスクな構図があると思います。この映画にしても電車男にしても、主人公はオタクなのにそれを演じている人は非オタクだし、これらの映画を見て感動する大多数も非オタクです。いわば白人のストウ夫人が書いた『アンクルトムの小屋』を白人の役者が顔を黒塗りにして演じるのを白人の客が見て感動するのと同じではないでしょうか。この映画でもこの「ルー大柴」似の主人公は、免許も車も無しで、フィギュア集めが趣味という「いかにも」な設定を与えられています。でもその実、この役者は二児の父だそうです。そんな彼が"DT"のオタクを演じて観衆の笑いをとる。男はまだしも、この映画を見て無邪気に笑っている若い女子たちは本当に冷酷だと思います。ちなみにこの映画、R指定で結構下ネタやエロ話、ヌードシーンもあるし、よくもまあこんな映画を大学のカネで大学内で上映するもんです。
ところで僕の博士論文が大きく依拠している、某有名研究者のワーキングペーパーが今度、某有名政治学ジャーナルにパブリッシュされるらしいです。このワーキングペーパーは2002年のもので、比較的新しい領域を扱っており、その後どうなっているのかよく分からず僕としても不安でした。なぜなら「パブリッシュされない=この領域、方向性は可能性が無い」ということかもしれないので。それに僕の博士論文は一応この論文を叩き台にしているのですが、その叩き台がワーキングペーパーだといくらそれが有名な学者の手によるものであっても、何だか変な感じです。今回この論文がパブリッシュされたということは、僕の行こうとしている方向に未来はあるということです。この論文がパブリッシュされたということは、もし僕が思っているとおりの結果が出れば僕の論文もパブリッシュ可能なような気がします。この学者たちが今切り開いた後を、できるだけ早く続きたいものです。
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2月4日(土)の昼
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僕がよく聞いているオースティンのトークラジオ局の深夜番組に"Coast to Coast AM"というのがあります(平日23:00-4:00、土曜日0:00-6:00、日曜日0:00-4:00)。もちろんオースティンで作っているのではなく、どこかから配信を受けているものです。この番組は基本的に視聴者が電話をかけてきて、司会者と会話するのがメインですが、要は「X-ファイル」系のオカルト+陰謀論番組で「イルミナティが…」とか「フリーメーソンが…」とか「UFOが…」とか「輪廻転生が…」とかを真面目に語り合っています。電話をかけてくる視聴者の半分以上がすでに正気を失っている感じで、司会者もまた正気を失っているので、どちらも互いの言いたいことを言い合うだけで議論が成り立たず、電話のガチャ切りは普通です。
今ホットな話題は日本の地震にかんする予言。とある霊能力者が「日本のホンシュー・アイランドで大地震が起こり、アメリカ西海岸を津波が襲う」と予言していて、つい先日茨城県沖でマグニチュード5の地震があったときは、司会者は興奮気味に「予言はやはり正しいんだ!さっき東京で地震があった!」と伝えていました。「ホンシュー・アイランド」で地震なんて超日常茶飯事だということを知らないアメリカ人のオカルト好き視聴者はさぞ驚いたことでしょう。ちなみに「Xデー」は3月13日だそうです。
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2月5日(日)の朝
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昨晩はダウンタウンにあるAustin Convention Centerに、NBA Development LeagueのAustin Toros対Albuquerque Thunderbirdsの試合を観に行って来ました。日本人初NBAプレイヤーで、現在アルバカーキに所属する田臥勇太選手が目当てです。会場の大きさはプロレスの興行が行われるような田舎の体育館くらいで、正直「コートまで近っ!」と思いました。しかも客の入りもそんなに多くなく、せいぜい6〜7割といったところです。やはりオースティンはUTのスポーツが全般的に強いので、プロスポーツにまで客が回る余裕が無いのかもしれません。
試合開始40分前に会場に入ったのですが、ちょうどThunderbirdsが練習していて、田臥選手もいました。客席を見れば日本人らしき人もちらほらいます。5〜10人くらいの若いイマドキの日本の若者男女グループが各所に4つくらい。これらのグループはお互いを何となく知っている感じで、おそらくオースティンから車で30分くらいのところにある、日本の留学斡旋団体と提携して日本人留学生を多く受け入れているテキサス州立大学の学生ではないかと思いました(UTのundergraduateには日本人はこんなにいないし)。おそらく僕と同じ田臥選手目当てなのでしょう。彼らの他にも駐在員の夫婦らしき日本人もいたりして、「田臥」と書いた日本語のボードを持っていたりしました(ちなみに知っている人では、Astronomy の日本人assistant professor夫婦に唯一会いました)。
試合が始まると、さすがホームだけあってTorosを応援する観客ばかりです。しかし日本人はその多くがThunderbirdsを応援しているようでした。Thunderbirdsへの声援の半分くらいは日本人だったような気がします。しかし僕はTorosを応援しました。田臥選手にはもちろん活躍してもらいたいですが、チームとしてはやはり地元オースティンに勝ってもらいたい。ていうか、なんでテキサス在住の日本人がアルバカーキを応援するのか。地元への愛着というものは無いのか。まあ百歩譲って、テキサスに来てまだ日が浅かったりするかもしれないことや、あるいは松井のいるヤンキースやイチローのいるマリナーズを応援する心理を考慮すると日本人がアルバカーキに声援を送るのは良いとしましょう。でも、問題は僕の2列ほど前にいた日本人女子と白人男子のカップルの男子の方。きっと彼はテキサス出身に違いない。なのになぜキミはアルバカーキを応援するのか。キミはそれでよいのか。彼女に迎合してご機嫌を取ろうというのかもしれないが、キミのテキサス人としてのアイデンティティはそんな薄っぺらいものなのか―などと悶々と一人考えていました(そういえば周りを見渡してみても一人で来ているなんて僕ぐらいのものでした)。
しかしそれにしても田臥選手は素晴らしかったです。背の高いアメリカ人選手の中にあって見事な動きでした。シュートも何本か決めていたし。日本を離れアメリカ人に混じっ奮闘している姿に素直に感動しました。以下写真です。最初の写真は試合開始直前のミーティングですが、田臥選手と他の選手との身長差がわかると思います(田臥選手は集団の一番右端)。二枚目はプレイ中のもの。
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2月8日(水)の朝
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今週に入ってからは久しぶりに安楽な生活を捨てて、ハードな毎日を送っています。おとついが睡眠時間1時間で、昨夜が3時間くらいです。博士論文、レクチャーノート、それと論文が二つなど。例によって時間の感覚が薄くなり、少しハイになっています。あと食欲が異常です。常に空腹で、食べても満腹感が得られません。何か満腹中枢に異常があるのではないかと思います。
今日の空間理論のクラスで、宿題というほどのことも無いのですが、自分の国のデータで二次元のマッピングを作るようにとのことだったので、早速簡単にJESIIのデータを使ってやってみました。
まず13の政治争点に関する質問文の回答を因子分析にかけ、二つの因子を抽出します。これらの質問文ではそれぞれの問題に関する意見に関して「1:賛成―5:反対」の5段階でたずねられており、この因子分析においてはこれらの政治争点に関する有権者の意見のバラツキは二つの要因によって説明されることを想定しています。つまりある人は外交問題において保守だから「防衛力強化」「安保体制強化」に賛成する、などと「外交問題における保守的傾向」という要因によって「防衛力強化」「安保体制強化」という二つの政治争点の意見が決まっているという想定です。こうした因子は政治的な文脈では「イデオロギー」と解釈されたりもします。
次に因子分析の結果を見て、因子が何であるのかを解釈します。下の表の網がけになっているのは、その因子によって当該意見のばらつきがよりよく説明されていることを表します(とはいえ網がけあり、なしの判断は何ら客観的なものではありません)。+、−の記号は対立しているかどうかを表します。この表を見ているとまず第一因子によって「社会福祉推進」「政治腐敗除去」「核兵器不保持」「労働者の発言権強化」「公務員のスト権」「女性の社会進出推進」「社会福祉あてにすべきでない」という意見に対する賛否が説明されていることを意味します。またこれらの問題に関する賛否は同じ傾向をもつということが言えます。つまりこれらの意見に関して賛成なら全てに賛成、反対なら全てに反対している傾向が高いということです。これはどのような因子の働きによってこうなっているのでしょうか。正直解釈は難しいと思いますが、とりあえず「国内問題における左右イデオロギー」とでも言えるのではないかと思います。次に第二因子について見ると、これによって「防衛力強化」「貿易摩擦解消」「天皇の発言権強化」「ロシアと親しく」「日米安保体制強化」という意見のバラツキが良く説明され、しかもこれらの意見への賛否は同じ傾向をもつということがわかります。つまり「防衛力強化」に賛成の人は「貿易摩擦解消」「天皇の発言権強化」「ロシアと親しく」「日米安保体制強化」にも賛成である場合が多いということです。この因子は何と解釈できるのか。これまた難しいですが、とりあえず「対外政策における左右イデオロギー対立」とでも言えるかもしれません。
ということで、以上のことから93年当時の日本における政治的対立軸は「国内問題の左右イデオロギー対立」と「対外政策における左右イデオロギー対立」であったと言える(かもしれない)のです。最後にこの二つの因子を軸とする二次元空間における有権者の分布を見ておきます。これに選挙における候補者の位置なんかを加えると色々と議論できるのですが、これだけだと別にどうということも言えません。
とまあ、空間理論というのはこういう感じの分析をするものです。とはいえ、まだ本格的には習っていないので、果たして上でしたことや言ったことが正しいのか良く分かりませんが。
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2月9日(木)の夜
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今日は同じ学部のアメリカ人と少し世間話をしました。彼が言うには「日本のヤクーザはアメリカのギャングやイタリアのマフィアよりも強力だ。なぜなら銀行(banking)をにぎっているから」とのことです。僕は一瞬近年欧米で有名ないわゆる"Yakuza recession"(ヤクザ不況:日本では銀行の不良債権をにぎっているのがヤクザなので、処理がなかなか進まず、不況から脱出できない)のこととか、闇金のことを言っているのかなあと思ったのですが、どうも違うようです。だいたいそんなんだったらアメリカのギャングやイタリアのマフィアもやってそうです。で、どういうことかと彼に尋ねると、「僕の友人でロンドンのスミトモ・バンクに勤めているヤツがいるんだけど、上司の小指が無いって言ってたよ」とのこと。完全に勘違いか、だまされています。どうやら彼は日本の大手都市銀はバリバリのヤクザがやっていると思っているようです。面白かったので訂正しませんでしたが。
夕方には「第三の漢」氏に連れて行ってもらって、大学のジムに行ってきました。5年目にして初です。大そう立派な施設で、大きな温水プールにサウナやジャグジー、スカッシュのコートに、クライミング、ランニングマシーンに、各種ワークアウトのマシンなど、そのへんのスポーツクラブよりもよほど豪華なのではないでしょうか。こんな施設が学生はタダで使えるのです。オープンしている時間も朝6時から夜中の1時までです。これまで来なかったのはやはりもったいなかったかもしれません。とりあえず僕は走る系は疲れるので嫌なので、筋トレのコーナーに行って、十数種類ものマシンを見よう見まねでやってみました。なかなか爽快です。これから通うかもしれません。
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2月10日(金)の夜
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昨夜は日本人MBA学生の人たちの勉強会に行ってきました。参加者はMBA留学の方7人と、僕、経済学部のH先生、会計学専攻の学部生、防衛庁からの派遣の中東研究の院生でした。内容は元証券マンの方によるギョーカイの話で、僕などは全くの素人なので恥ずかしい基本的な質問をたくさんしました。印象に残ったのは、インサイダーでも無い限り株でコンスタントに儲けるのは不可能であるということ。最近はデイトレーディングなんかで手軽に儲かるみたいなことが言われていますが、そんな上手い話はなかなか無さそうです。
前にも何回か紹介した地上波のキリスト教チャンネルを相変らず観ているのですが、気づいたことがあります。大きな教会やスタジアムで開催される有名なテレビ伝道師たちによるキリスト教原理主義にもとづく説教の中継の様子と、アンソニー・ロビンズなどモチベーターといわれる自己啓発系のセミナーの様子が大変よく似ています。話者の身振り手振り、話し振り、内容、また観客の反応など。前者が後者に影響を与えているのではないでしょうか。こういういわゆるモチベーターの人たちは宗教的な人が妙に多かったりします。テレバンジェリストの手法をモチベーターが真似たとしても不思議では無いし、実際彼らの行っていることは宗教の原理主義に似ていると思います。
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2月14日(火)の夜
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相変らず忙しくしているので短く更新。以下に二つ興味深いウェブサイトを。
・The Living Room Candidate: Presidential Campaign Commercials 1952-2004
このウェブサイトでは1952年から2004年までのアメリカ大統領選挙における各候補者のテレビCM動画が公開されています。各年、各政党ごとに争点や、トーン(ポジティブかネガティブか)が違うのがよくわかります。
・JPOLL
世論調査の代表的アーカイブの一つであるRoper Centerが管理する日本の各種世論調査データのアーカイブ。朝日新聞、読売新聞、中央調査社、統計数理研究所、時事通信社、NHK、日経新聞、内閣府などが行った世論調査結果が網羅されており、日本財団の出資で作られたThe United States-Japan Foundationの財政援助により無料で全て公開されています。当然、原データではなく、各種世論調査の結果だけですが、検索機能も充実しており十分な利用価値があります。
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2月18日(土)の夕方
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木曜日には最高気温が28℃まで上がったのに、昨日今日と急激に寒くなり今日は最低気温-1℃、最高気温2℃でした。多分、現在の関西地方よりも寒いのではないかと思います。3年前のちょうどこの時期も異様に寒くなったことがあり、そのときは大学が休みになりました(おそらく最高気温が氷点下になると大学が休みになる)。明日もこの寒さが続くようです。
寒さといえば僕は以前からサーマルシャツが欲しいと思っていました。サーマルシャツとは、僕が思うに最もアメリカ的な衣料の一つで、本来は防寒対策の肌着ですが、普通に普段着として着ている人も多いです。アメリカの映画なんかにもよく出てきます。で、サーマルと言えばアメリカの老舗、J. E. Morgan社(J. P. Morganではない)のものなのですが、先週セールで安くなっているサイトを見つけ注文していました。しかし今週末のこの寒さには間に合わず、がっかりしていたところ、今朝スーパーに買い物に行ったついでに寄った"OLD NAVY"("GAP"と同じ系列の衣料品チェーン店。ブランドごとにランクがあり、"Banana Republic" > "GAP" > "OLD NAVY")で、セールのため6ドルになったサーマルシャツを発見。OLD NAVY製なので「本式」ではありませんが、早速購入して着てみるとこれが無茶苦茶暖かい。おそらく「Tシャツ、スウェット、フリース」の組み合わせよりも「サーマルシャツ、スウェット」の組み合わせの方が暖かいと思います。暖かいと少し幸せな気分になれます。
木曜日の晩は徹夜をしてしまい、明け方に寝ようかと思いましたが、月・金の早朝にはジムに行くと決めたので、そのまま寝ずに6時半ごろにジムへ。30分ほど筋トレの後、図書館に移動し、3時間ほどソファで仮眠をし、その後夜の11時まで図書館に篭っていました。それでもまだ心の焦りは取れません…。今日はこれからTAのクラスの採点をします。
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2月19日(日)の夕方
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テキサスに住んでいるとトルティーヤ・チップスを食べる機会が多くあります。トルティーヤ・チップスとは、トウモロコシから作られたチップスで、メキシコ料理店やTex-Mex(テキサス風メキシコ料理)の店で注文の後、皿が来るまでの間の腹ごなしとして必ず出てきます。サルサやワカモレディップにつけて食べます。最近は良いトルティーヤとそうでもないトルティーヤの違いが分かるようになってきました。そこで具体的にどう違うのか成分表を調べてみると、高いものと安いものとでは同じ量でもタンパク質の含有量が倍違うことがわかりました。また安いものほど塩分が高いです。つまりツナギにトウモロコシ以外のものをたくさん使っているのでしょう。やはり一番おいしいトルティーヤチップスは塩分ゼロでタンパク質が高いものす。もちろんサルサも「本物」のものが望ましい。僕が専ら買って食べるのは両方とも一番安物ですが。
こんなことやっている時間などマジで無いのですが、以下自分の研究とはまったく関係の無いことを。
前にも少し書きましたが、株価というのは様々な情報の集約であり、その情報の不確実性の変化によって影響を受けます。企業の研究開発活動において「画期的な新商品の開発が進んでいる」という情報が流れればその企業の株価は上がるでしょうし、「新規事業の準備が上手くいっていない」という情報が流れれば株価は下がるでしょう。ポイントはいずれも実際にその事(新商品の発売、新規事業の立ち上げ)がまだ起こっていないということです。株価に正の影響を与えるイベントの発生を"1"(不確実性ゼロ)として、その確実性が"0"(確実性ゼロ)から徐々に"1"に近づくに従って株価が上がったりするわけです。なので例えば「画期的な新商品が発売された」ということでも、「画期的な新商品が発売される」ということがかなり確実ならば、実際に発売される前に株価は上がり、発売された瞬間には株価の変動は無いかもしれません。要するに発売前に「画期的な商品の発売」ということは株価に折込済みなわけです。従って全く予期していなかったことが突然起こればその分、株価は急激に変化することになります。例えば極秘裡に開発が進められていた新商品の発売です。発売の前日まで確実性が"0.2"だったことが次の日に突然"1"になればその分急激に株価は上がるでしょう。
こうした株価に影響を与える要因は何も経済的なことだけではありません。政治も影響を与えます。顕著な例として考えられるのが、昨年の郵政民営化の議論でしょう。郵政民営化されればおそらくヤマト運輸や日本通運に郵便事業が解放され、それらの会社がより儲かることが予想されます。そのため郵政民営化が確実になればなるほどそれらの会社の株価は上がると考えられます。反対に、郵政公社の長距離輸送部門の下請け業務で大きなシェアを持つと言われる、綿貫民輔氏のファミリー企業トナミ運輸は、郵政民営化が確実になればなるほど株価は下がるものと考えられます。
去年の状況に当てはめれば、郵政民営化が実現するかどうかということは小泉内閣の人気に大きく依存していたと考えられます。とりわけ衆議院解散、総選挙が決まってからは「小泉自民党が勝つ可能性=郵政民営化法案が可決される可能性」となり、ますますその関係は強くなったはずです。そこで以下ではヤマト運輸、日本通運、トナミ運輸の株価を従属変数、内閣支持率を独立変数として時系列分析をしたいと思います。理論的な予測としては「内閣支持率が高まり郵政民営化実現の可能性が高まるにつれ、ヤマト運輸および日本通運の株価は上がり、トナミ運輸の株価は下がる」というものです。
まずは2004年9月から2005年12月の16ヶ月間の内閣支持率(データソースは時事世論調査)、ヤマト運輸の株価、日本通運の株価、トナミ運輸の株価を並べて見てみます。
以上をみてわかるとおり、内閣支持率、ヤマト運輸の株価、日通の株価は総選挙のあった2004年9月を境に大幅に上がっていることがわかります。トナミ運輸は2004年9月を境に少し下がっているようにも見えます。
時系列分析にあたっては、まず各時系列の自らの過去やトレンドで説明できる部分をARFIMA(Autoregressive Fractionally Integrated Moving Average:自己回帰実数和分移動平均)モデルを使ってフィルターをかけることによって取り除き、自らの過去やトレンドで説明できない変動の部分を従属変数、独立変数として使います。コントロール変数として同じくARFIMAでフィルターにかけた、消費者物価指数(景気状況を表す指数として使われる)、と日経平均株価を投入します。理論的に総選挙後は内閣支持率→株価の影響が下がると考えられることから、2004年9月〜2005年の9月の13ヶ月だけを分析に用います。結果は以下のとおり。
見てのとおり散々な結果です。内閣支持率の各株価への影響の方向性は予測されたのと同じものの(ヤマト運輸、日通に対して正、トナミ運輸に対して負)、いずれも統計的に有意な影響ではありません。(ただしARFIMAをしないでそのままの変数を回帰分析にかけると、内閣支持率は宅配便業界1位のヤマト運輸の株価に統計的に有意な正の影響を及ぼしており、両者が連動していることがわかる。分析期間の短さからARFIMAなどの時系列分析の処理をしないことに関する正当化も可能かもしれない)。
こうなった原因としてはまず、理論的に総選挙が決まった日以降の日ごとのデータを使って分析するべきだというのがあるでしょう。総選挙の可能性が"1"になって初めて、内閣支持率(小泉首相の人気)が郵政民営化に関係ある会社の株価に影響を与えることになるでしょうから。ただし株価は日単位でのデータが入手可能ですが、小泉首相の人気、小泉自民党が総選挙で勝つ確率を表す日単位の変数はありそうにもありません(アメリカ大統領選挙ならそういうデータは存在し、実際大統領が勝つ確率の企業への株価の影響について研究されている)。月ごとではやはり大雑把過ぎます。
議論自体はまあ面白いと思うので、時間があれば今後も可能性を探ってみたいと思います。
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2月20日(月)の夕方
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以下は博士論文とは関係ありませんが、ここ数年二番目の優先順位で取り組んでいる研究です(あくまでも第一は博士論文=アメリカ政治)。今年のAPSAのパネルに応募しています。
日本の政治行動、政治意識研究においては、政党支持は第一に重要な変数となっています。これまでの時系列分析にも見られるように、それは内閣支持に対して一貫して強い影響を与えると考えられてきました。要するに「自分の支持する政党の内閣だから支持する」という心理です。しかしそれに対して昨年の僕のパブリケーションでは、90年代初頭には政党支持→内閣支持の影響は低下し、90年代半ばに底を打った後、また回復するなど、政党支持のパラメターの値はこれまで時系列分析が通常想定するようには一定ではなく、不安定なものであったことを示しました。ではなぜ政党支持の内閣支持への影響は変化したのか。その理由として、僕は次のような主張を試みたいと思います。
「既成党とは異なり、政党への心理的愛着をあまり持たない有権者に支持された新党が内閣に入ることによって、政党支持態度が内閣支持態度に与える影響が弱くなった。」
で、これを長々と一般言語で解説しても良いのですが、ここでは数式を使って各種前提をもとにした簡単なフォーマルモデルのインプリケーションとして以上の主張を論理的に導き出したいと思います。最初に以下のことを想定します。
"Ct"は時点tにおける内閣支持率、"Pt"は時点tにおける与党支持率、"Et"は時点tにおける景気が良くなったと判断する有権者の割合、"Po,t"は時点tにおける与党である既成党の支持率、"Pn,t"は時点tにおける与党である新党の支持率です。ポイントとしては政党に関して既成党と新党の二種類があることを想定しているということです。
(1)は時点tの内閣支持率は、その一期前の内閣支持率と時点tの与党支持率、そして景気が良くなったと判断する有権者の割合によって決まるということを想定しています。(2)と(3)はそれぞれ時点tにおける与党である既成党と新党の支持率は、その一期前の支持率と、時点tにおける内閣支持率によって決まることを想定しています(内閣支持率と政党支持率の間に同時性があることを想定)。(4)と(5)は定義式であり、(4)は与党支持率が与党である既成党と新党の支持率の合計であること、(5)は時点tにおける与党支持率に占める新党支持率の割合をxtとすることを定めています。
ここで(2)と(3)を(1)に代入すると、次の(6)が得られます。
さらに(4)と(5)から(7)と(8)を導き出します。
これらを(6)に代入すると最終的に次の(9)が得られます。
この(9)から以下のインプリケーションが得られます。
「β1>γ1のとき、xt-1が上がるにつれ、Pt-1のCtへの影響は弱まる」
これはどういうことかと言うと、「β1>γ1のとき」、すなわち新党支持の持続性(persistence)が既成党支持のそれよりも弱いとき、「xt-1が上がるにつれ」、すなわち与党支持率における新党支持率の割合が上がるにつれ、与党支持率(Pt-1)の内閣支持率(Ct)への影響、すなわち
が小さくなるということです。こうしたことを数式を使わずに言葉で伝えようとすると大変な努力が必要ですし、その過程では誤解も生じるかもしれません。しかし数式を使うと言いたい事の中身やそこにいたる推論の過程が一目瞭然ですし、さらに僕の主張がどのような前提の上に成り立っているのかも明確です。この辺りが理論構築において数式を使う利点と言えるでしょう。
またこのモデルは"mathematically driven"だけであるのみならず、"empirically testable"です。その意味で、EITMのアプローチの一環と言えると思います。このように数学的に導き出された経験的に直接検証可能な理論の構築は、ここ数年の僕の勉強の目的であり、目標でした。まだまだ恥ずかしいレベルですが、長い時間をかけてようやくその端緒が掴めた気がします。
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2月21日(火)の朝
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経済学部のH先生から聞いたクイズ。
満員の東京ドーム(収容人数5万5千人)で、誕生日が同じ人が100人以上いる確率はいくらでしょう?
正解は→「100%。可能な誕生日の種類は365しかないわけで、365×99人より一人でも多く集まる場所では、誕生日が同じ人が100人以上確実にいる。」
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2月22日(水)の夜
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火曜日の夜は水曜の夜のTAセッションのためのレクチャーノート作りで潰れ、水曜の夜はそのTAセッションで潰れてしまいます。セッション自体は8時過ぎに終わるのですが、それが終わるともう何もやる気が出ない。今日も終わった後、図書館に行って勉強しようと思うも結局家に帰り、あまりの眠さに朝4時に目覚ましをセットして就寝。ところがしばらくして電話で起こされ、結局眠気も少しましになったので起きていることにしました。僕なんかまだTAセッションだから良いですが、本格的に教えている人はすごいなあと思います。何が疲れるって、みんな忙しい中わざわざこんな時間に来てくれるのだから、それなりに真剣なわけで(大学院の回帰分析のクラス)、「中途半端なことはできない!」、「常に完璧な授業をしなければならない!」っていう緊張感が常にあるからだと思います。反対にやる気の無い人たちに教えるのとどっちがしんどいのでしょうか。
今日の空間理論のクラスは2時間半、完全に雑談タイムでした(しかも休憩なし)。この先生の言うことはやはり独特で、つかみ所が無いし、何が目的なのかもよく分かりません。先生に言わせれば世界で一番優秀なテロリストは日本人だそうです。僕は最初何かジョークかと思ったのですが、全然そうではなく真剣に「1972年の日本赤軍によるテルアビブ銃乱射事件」と「オウム真理教による世界初の毒ガステロ」(このニュースは日本以外ではこの点で有名らしい)を挙げていました。あとチェコスロバキアは1918年のピッツバーグ協定によって建国した国で、いわばピッツバーグで生まれたそうで、今でもピッツバーグ大学の"Cathedral of Learning"(学習大聖堂:世界各国の教室が再現してある)のチェコの部屋には調印文書が展示されてあるとか。またこの先生がシェプスリとワインガストが共著した空間理論の論文に、引用されてしかるべき自分の論文が引用されていないことをシェプスリに文句を言うと「いや、バリー(ワインガスト)がそれで良いって言うから…」と言い、ワインガストに文句を言うと「いや、ケン(シェプスリ)がそれで良いって言うから…」とたらいまわしされたそうです。
と、このように本当にとらえ所の無い内容です。僕自身はさほどの興味もなく聞いていたつもりなのですが、授業の後、クラスメートが僕に「タケシは彼の話に本当に興味があるのか?」と不思議そうに聞いてきます。「なんで?」と聞くと、「いや、先生が話している間中、ずっと熱心にうなずきながら聞いているから」と。どうも僕は無意識にそうしているようです。このへん僕はいつまで経っても「優等生体質」が抜けないようです。
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2月26日(日)の夜
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木曜の晩は徹夜してそのまま金曜の朝6時過ぎに大学のジムで筋トレ。それから4時まで図書館に篭って勉強し、帰宅。朝食がファーストフード、昼食が学内のグローサリーストアの寿司パックと豪華だったので、夕食はミックスベジタブルとごはんだけの簡素なやきめし。それを食べ終わると経済学部のH先生から電話があり、結局夕食を食べに行くことに。学部生の男子含めて3人で、このHPでも何度か言及したMikadoという雰囲気の良い日本食レストランへ。絶対ルックスで選んでいると思われるウエイトレスをじろじろ見ながら、明らかにデートスポットに迷い込んだ場違いな野郎三人組で寿司を堪能。その後、H先生宅にてCatanというボードゲームを夜中の2時までやりました。帰宅して3時に就寝するも翌朝は郵便局に行く用事があり、そこそこ早くに起床してバスで郵便局とスーパーに。帰宅して掃除などを済ませると、何となくバスでショッピングモールへ。ちょうど冬物のセールをやっていたのですが、呆れるくらい残っているのがXLとかXXLとかXXXLとかで、とても着れるようなシロモノではない。ていうか、いくらデブ大国とはいえこんなに余るのなら作らなければ良いのに…。ということで半額のXSのサーマルシャツを購入し帰宅。久しぶりにゆっくりしました。
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2月27日(月)の夜
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今学期は本当にTAの仕事が忙しいです。前書いたTAセッションのレクチャーノート作りや準備、それに2週間に1回ある宿題の採点や模範解答作りもあります。もちろん博士論文やそれ以外に三本の論文のこともあるし、ほんとパソコンに向かいっぱなしです。
今年のUT政治学部の入試結果が出た模様です。出願250人に対して合格者がなんと70人。そしてさらに驚くのがそのうち39人に財政援助のオファーを出したとか。僕が受験したときは150人の出願に対して合格が50人、そのうち20人に財政援助のオファーということですから、この5年間での変わりようが伺えます(ちなみに僕の入試順位は33番目だったらしい)。
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